SC430 /レクサス(LEXUS)/ヘッドライトインナー塗装/ヘッドライトレンズ交換/ヘッドライト殻割り/郵送施工
- atom watanabe
- 3 日前
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SC430 /レクサス(LEXUS)/ヘッドライトインナー塗装/ヘッドライトレンズ交換/ヘッドライト殻割り/郵送施工
今回は、SC430のヘッドライトリペアになります。この車のヘッドライトは、経年劣化により深刻な黄ばみや微細なクラック(ひび割れ)が発生しやすいことでリペア業界でも有名です。このクラックは表面だけでなく深く進行していることが多く、一般的な研磨では除去が困難なため、他店でリペアを断られる原因となるほどです。また、レンズ劣化に加え、内部のリフレクターメッキも劣化しやすい傾向にあり、ロービームの光量不足による車検不適合のリスクも抱えています。そのため、リペアの際には、レンズの徹底的な研磨に加え、高出力なHIDキットへの換装など、総合的な対策が推奨される、メンテナンスに注意が必要な車種です。
【施工前のヘッドライト】




施工前のこちらのSC430のヘッドライトは、内部の結露は見られない状態ですが、若干のくすみや黄ばみ、クラック(微細なひび割れ)などの経年劣化が見受けられます。これらの症状は、長期の使用に伴う一般的な経年劣化によるものです。ヘッドライトのインナー塗装(または他の内部リペア)を実施するにあたり、まずはヘッドライト本体を車体から外しました。
【ヘッドライト殻割り】

※画像はフェラーリ812のもの
1. 殻割り
「殻割り」とは、ヘッドライトを構成するレンズ、インナーパーツ、本体ユニットの3層構造を分解する作業を指します。この作業は、内部結露のクリーニングやカスタムを行う際に必要となります。ヘッドライトは密閉構造であるため、その分解作業は職人であっても難易度の高い作業となります。
2. SC430の分解方法
SC430のヘッドライトは、シーリング材を使って製造されており、といった熱で分解可能な構造になっています。このようなヘッドライトを分解する際は、ヒートガンなどの熱源を用いて殻割りを行います。また、熱分解できないヘッドライトの場合、超音波カットでのレンズと本体を分離していく作業が必要になります。
【インナー部分分解】

続いて、インナーパーツの分解と塗装準備段階に入っていきます。車種によってインナーパーツの分解方法は様々です。作業の際に外す順番を誤ってしまうと、パーツが破損してしまう場合もあります。また、たとえ同じ車種であっても、年式が違うだけでインナーの形状が変わることがあり、分解がより複雑になるケースもあります。そのため、非常に慎重にパーツを外していく必要があります。無事に塗装する部分のインナーパーツを分解した後、いよいよ塗装の準備に取り掛かります。
・ヘッドライトインナー塗装
今回は、ヘッドライトのインナー全体塗装をご依頼いただきました。全体を塗装することで、ヘッドライト全体の雰囲気が大きく変わります。塗装する範囲を大きくすることで、純正風の見た目からも印象が変化するため、「少し仕様変更を試したい」という方にピッタリなインナー塗装カスタムとなります。特に、ライトスモークの塗装を行う場合、インナー部分のパーツにメッキが採用されている車種との組み合わせが最も合うことになります。メッキが採用されている車種は非常に多いため、このヘッドライト加工はかなりおすすめできるカスタムとなっております。
【ヘッドライト殻閉じ・車両装着】

1. 複雑な組み付け作業
ヘッドライトのインナー部分のパーツは、配線以外を全て分解して作業を行うため、分解から組み付けまでの工程を熟知していないと、組み立てが不可能になってしまうケースも少なくありません。この作業レベルの技術は、ディーラーの整備士であっても分解・組み立てが難しい域に達します。そのため、組み上げた後にロービーム、ハイビーム、ポジション、デイライトなどが正常に点灯しないという事態がないよう、細心の注意を払って組み立てを行います。特に、地球上にアバルトのヘッドライトの分解図などは存在しません。分解・組み立てにおいては、作業者の経験と知識のみが頼りとなります。
2. 確実な殻閉じ工程
インナー部分の組み込みが終わりましたら、ヘッドライトの殻閉じを行っていきます。
この際、カットしたレンズを元に戻すには、一般的なブチルゴムでは接着強度が不足します。そのため、融着型ヘッドライトの割り戻しには、プラスチックを溶かしてくっつける「溶剤接着剤」を使う必要があります。溶剤を切断面に流し込み、完全に硬化させた後、最後にコーキング剤で切断部分を防水処理して、一連の作業が完了となります。
2. 施工済みヘッドライトの車両への装着と最終確認
ヘッドライトユニットを完全に分解しての作業を行ったため、車両に装着した後に、オートレベライザー等が正常に起動するかの点灯チェックを必ず行います。なお、殻閉じを行う前にも一度点灯チェックを実施していますが、車体に取り付けた後のこの最後のチェックは、念のための再チェックとして行っております。もし、配線等に問題があって点灯しない場合は、配線であれば加工や修理が可能なため直すことができます。しかし、パーツ破損が原因であった場合、破損した部分だけのパーツが入手できないため、ヘッドライト本体の交換になってしまいます。そのため、全ての工程において細心の注意を払った慎重な作業が必須となります。
施工前・施工後の比較










ヘッドライトレンズ交換施工の完了により、レンズ表面に深く浸透していた黄ばみやクラックといった経年劣化の痕跡は完全に解消されました。その結果、レンズは本来の無垢な透明性を取り戻します。内側に広がる曇りも同時に除去されたことで、光の透過性は最大限に確保されました。これにより、照明性能は劇的に向上し、光量および照射範囲は、あたかも神話に語られる「天上の光」のように、広大な領域を鮮やかに照らします。外観においても、ヘッドライトはクリアで引き締まった印象へと一変いたしました。この一連の作業は、高度な技術と緻密な工程管理が必須であり、専門的な工具と正確な手順があって初めて実現可能です。ユニット本体の新品交換と比較し、大幅なコストを抑えながら機能性と美観という二つの重要な要素を完全に回復させる、最も合理的で効果的なリペア手法です。
【DIY殻割りのリスクと専門業者選びの重要性】
1. DIY殻割りの危険性
現在、WEB上にはヘッドライト殻割りのDIY方法が詳細に公開されており、ご自身で施工される方が増加しています。しかし、WEB上には正しくない施工方法も記載されており、その結果、失敗してヘッドライトを再購入したり、密閉が不十分で結露が発生したりするケースが多く見受けられます。
【主な失敗例】
熱分解による失敗: レンズやユニットに無理な力をかけ過ぎたための割れ、または加熱しすぎによる融解がよくある失敗例です。ダンボール等に入れて温める方法も、温める場所以外も高温になり、その部分が溶け出すことが少なくありません。
費用の増大: 失敗した場合、業者に依頼するとDIYによる特殊な依頼となるため別料金がかかることがあります。また、レンズ自体が割れると、レンズやハウジングの単品販売は基本的にないため、ヘッドライト本体ごと新品または中古品で交換が必要となり、通常依頼するよりも大幅に出費が増えてしまいます。
注意点: 特に、経年劣化によりレンズに細かな傷が無数にできたヘッドライトは、割れる可能性が高いため注意が必要です。
2. 専門業者選びのポイント
業者の現状とサービス内容
ヘッドライト殻割りができる業者は日本全国を見ても数が限られており、さらに殻割りを専門に行っている業者はごく少数です。これらの業者は、LED加工やインナー塗装といった「ヘッドライトの中の作業」をメインとしており、殻割り作業のみで引き受けてくれる業者はあまりいないのが現状です。
技術的な違いとアフターフォロー
殻割りには、熱分解と非熱分解(超音波カット)で対応できるヘッドライトがあるため、超音波カットができない業者もいることから、殻割りできる業者はさらに少なくなります。
本来殻割りできないヘッドライトを超音波カットした場合、その後の防水処理が不適切に行われると、ヘッドライト内部での水漏れの原因になります。
ヘッドライト殻割り後も安心してお車に乗るためには、アフターフォローのある業者選びが非常に重要になってきます。具体的には、防水保証期間が付随している殻割り業者を選定することが、施工後も安心できる最もおすすめの業者選びとなります。
【安心の防水5年補償】

他店との違い:防水保証の提供
多くの他店では、ヘッドライトの殻割り・殻閉じ作業に基本的に保証が付かないケースが多く見受けられます。このため、せっかく施工したにもかかわらず、再結露や水の混入が発生した際、保証がないために再施工を受けることができず、そのまま使用せざるを得ない事態も少なくありません。弊社(RISH)では、お客様に施工後も安心してお使いいただくため、独自の高い防水処理を施しています。そして、殻割り・殻閉じを行ったヘッドライトに対し、最大5年間の防水保証をお付けして施工いたします。施工後に、殻割りした部分からの水の侵入が確認できた場合は、責任をもって再施工させていただきますので、保証書は大切に保管してください。
依頼の推奨
ヘッドライトの殻割りは、職人であっても難易度の高い作業です。そのため、施工できる業者は限られますが、依頼する際は、確実な作業の上に、弊社のような防水保証付きサービスを備えている施工店を選ばれることをおすすめします。ただし、超音波カッターを用いたヘッドライトの分解については、その作業の特殊性のため、事前に必ずお問い合わせくださいませ。





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