自動車の天井(ルーフライナー)の生地が剥がれ落ちてくる人必見!対策や張替え方法など専門店が徹底解説!
- atom watanabe
- 10月4日
- 読了時間: 10分

「天井張替え修理をすれば愛車の見た目の変化と施工後の天井の綺麗な状態を保つために修理したい」と考えているのかと思います。
自動車の天井張替え修理を行うショップは少なからずあり、修理した後のメリットは何なのか。デメリットは何なのか。そもそも天井が落ちてくる原因は何なのかをこの記事では解説していきます。
主に7つのメリットと5つのデメリットが存在します。当記事ではカスタム・リペア専門店の代表である私が、天井張替え修理する上での素晴らしいメリットと知っておいた方がいいデメリットを詳しく解説していきますので、是非ご参考にしていただければ幸いです。
目次
ウレタンスポンジの劣化(加水分解)
高温多湿や紫外線による接着剤の劣化
経年劣化による素材全体の劣化
本革や合皮天張りの伸び・収縮
施工不良や接着剤の選定ミス
天井張替えメリット
天井張替えデメリット
1取り外し
2布を剥がす
3下地処理
4布をカット
5布を張る
6取り付け
【なぜ天井(ルーフライナー)が剥がれてくるのか】

1.ウレタンスポンジの劣化(加水分解)
車の天張りには、布や革の下にウレタンスポンジが使われており、柔らかさや吸音性を確保しています。しかし、このウレタンは年数が経つと「加水分解」という化学反応を起こし、ボロボロに崩れてしまいます。その結果、上に貼られている布や革を支えることができなくなり、垂れ下がってしまいます。特に10年以上経過した車ではこの症状が多く見られ、天張り剥がれの最大の原因とも言えるでしょう。
2.高温多湿や紫外線による接着剤の劣化
車の天井部分は直射日光を浴びることが多く、真夏の車内では60〜80℃にも達します。この高温や湿気により、天張りの接着剤が劣化し、粘着力が弱まります。加えて、紫外線による素材の劣化も進行しやすくなります。結果として、表面素材が剥がれて垂れ下がる現象が起きます。特に日本のような高温多湿の気候ではこの影響が顕著で、屋外駐車の車ほどリスクが高まります。
3.経年劣化による素材全体の劣化
車の内装材は長年の使用により、素材そのものが徐々に劣化していきます。天張りも例外ではなく、スポンジ、布地、接着剤などの構成材料が経年により硬化・軟化・粉化などを起こします。特に10年以上経過した車では、目に見えない部分から劣化が進み、最終的には布が垂れたり、剥がれたりする症状として現れます。これは避けられない自然現象であり、年式の古い車に共通するトラブルです。
4.本革や合皮天張りの伸び・収縮
本革や合皮の天張りは高級感がある反面、温度や湿度の変化に敏感です。特に本革は自然素材のため、夏場の高温や冬の乾燥により伸び縮みが起きやすく、表面が波打ったり剥がれたりすることがあります。合皮でも長年使うことで硬化やひび割れが起き、接着が不均一になり剥がれるケースがあります。本革内装車は特に丁寧なメンテナンスと定期的な湿度管理が求められます。
5.施工不良や接着剤の選定ミス
新車製造時や修理・張り替え時に使用される接着剤の種類や施工方法によっても、剥がれやすさは大きく変わります。不適切な接着剤を使用した場合、温度変化に対応できず短期間で粘着力が失われます。また、接着ムラやプレス不足などの施工不良があると、局所的に剥がれが発生し、それが全体に広がっていくこともあります。信頼できる施工業者選びも、耐久性に大きく影響します。
【天井張替えのメリット・デメリット】

【天井張替えメリット】
見た目が新品同様になる
たるみや黄ばみがなくなり、車内全体がスッキリとした印象に。
車内の快適性向上
新しい布は清潔で手触りもよく、乗っていて気持ちが良い。
嫌なニオイの解消
タバコやカビ臭が染みついた古い布を除去できる。
車の価値が上がる
内装がきれいだと査定や売却時の印象が良くなる。
好みにカスタマイズできる色・素材
(スエード調やレザー調など)を選べるので個性を出せる。
劣化の進行を防ぐ
張替え時に下地の補修もでき、剥がれの再発を抑えられる。
精神的な満足感
新しい内装は気分が上がり、ドライブが楽しくなる。
【天井張替えデメリット】

費用がかかる
専門業者だと8万~11万円程度(素材や車種による)。DIYでも材料費と工具代が必要。
作業が大掛かり
天井材を外すためにシートベルトや内張りを外す必要があり、手間がかかる。
DIYは難易度が高い
しわや浮きが出やすく、慣れていないと仕上がりに差が出る。
施工中は車が使えない
業者依頼なら数日、DIYでも数時間~丸1日作業にかかる。
失敗時のリスク
内装部品を壊したり、再度剥がれが起きる可能性もある。
【施工のやり方】


1.取り外し
天井パネルの取り外しは、車内の重要な内装作業のひとつであり、丁寧さが求められます。無理に力を加えるとパネルが折れたり、破損する恐れがあるため、慎重に行うことが大切です。まずはルームランプやサンバイザー、ピラーなどの周辺パーツを外し、ネジやクリップを適切に外してからパネルを取り外します。プラスチック製のクリップは割れやすいため、専用の工具を使って慎重に外すと良いでしょう。丁寧に作業することで、パネルを傷つけずに取り外せ、後の張り替え作業もスムーズに進みます。


2.布を剥がす
天井張り替えの際は、古い布をしっかりと剥がすことが重要です。布が天井パネルに残ってしまうと、その部分に凹凸ができ、張り替え後の仕上がりに悪影響を与えます。特に、布の繊維や接着剤の残留物は接着面を不均一にし、後の接着不良や剥がれの原因にもなります。丁寧に時間をかけて布を剥がし、残りがないか細かく確認することが大切です。完全に布を除去することで、次の工程である接着剤の塗布や新しい布の貼り付けがスムーズに行え、美しい仕上がりが実現します。

3.下処理をする
のりやシールなどの粘着物が天井に残ったまま布を重ねて貼ると、接着不良の原因となり、再び天井が落ちてしまう恐れがあります。そのため、張り替え前の下処理が非常に重要です。まず、古いのりやシールの残留物を完全に取り除き、表面を平滑に整えます。さらに、パーツクリーナーなどを使って油分や汚れをしっかりと除去することで、接着面が清潔な状態になり、接着剤との密着力が格段に向上します。この下処理を丁寧に行うことで、張り替え後の耐久性が大きく変わり、天井の剥がれを防ぐことができます。

4.布をカットする
布をカットする際の重要なポイントは、正確さと慎重さです。まず、布は天井パネルのサイズよりやや大きめにカットし、余裕を持たせることが基本です。これにより、後で折り込みや調整がしやすくなります。カットは直線だけでなく、角や曲面に合わせて丁寧に行い、切りすぎないよう注意が必要です。特に角の部分は布がほつれやすいため、きれいに仕上げるために慎重に処理しましょう。
5.布を張る
布を張る際の最も重要なポイントは、しわやたるみを防ぎながら均等に貼ることです。中心から外側に向かって少しずつ貼り進めることで、空気が入りにくく、仕上がりがきれいになります。特に曲面や凹凸のある部分は、布を引っ張りながら手でなじませていくのがコツです。また、接着剤は均一に塗布し、貼る前に適度に乾かしてから圧着することで、接着力が安定します。焦らず丁寧に作業することで、美しく長持ちする仕上がりになります。
6.切り込みを入れる
布の裏側への折り込みとカットは、仕上がりの美しさを左右する大切な工程です。折り込みが甘いと、時間が経つにつれて布がめくれてきたり、接着が不十分な部分から剥がれが再発する原因になります。角や曲面は布が浮きやすいため、しっかり引っ張って張りながら均等に折り込むことが重要です。カットは余分な布をきれいに取り除きつつ、端をきちんと接着面に収めることで、見た目の仕上がりが格段に良くなります。細部の丁寧さが長持ちする秘訣です。

7.取り付け
天井パネルの取り付けは、張り替え作業の仕上げとなる非常に重要な工程です。しっかりと固定されていないと、走行中の振動や温度変化でパネルが浮いたり、ガタついたりする原因になります。取り外したパーツ(クリップ、ネジ、グリップ、バイザーなど)を正確な位置に戻し、確実に締め直すことがポイントです。また、配線やルームランプ類の接続忘れにも注意が必要です。丁寧に作業することで、見た目も機能も純正同様に仕上がります。
【料金】

【天井張替えで使用する布の種類】
1.トリコット生地(純正風)

・多くの純正車両に使われている生地
・柔らかくて伸縮性があり、しわになりにくい
・マットな質感で落ち着いた印象
・カラーもグレー、ベージュ、ブラックなど豊富
2.ニット生地(吸音タイプ)

・表面がメッシュや編み目状で、通気性・吸音性が高い
・車内の静音性を重視したい人におすすめ
・伸縮性もあり施工しやすい
3.スエード調生地(高級感重視)

・アルカンターラ風の起毛素材で、しっとりした手触り
・高級車やカスタムカーに人気
・光の当たり具合で色が変わる(陰影が出る)特徴あり
・本革より扱いやすく、見た目が上品
4. 本革・合成皮革(レザー系)

・高級感は抜群だが、伸縮性が少ないため施工が難しい
・通常はプロ施工向き
・重さがあるため落下防止のため強力な接着が必要
・合皮ならコストを抑えつつ見た目を近づけられる
5.難燃・防音シート付き布地

・スポンジや遮音シートが一体化したタイプ
・断熱・防音性を向上させたい人向け
・重量がややあるため施工時は注意が必要
【張りつけの種類】
車の天井張り替えでは、布を接着する方法として主に「スプレーのりを使う方法」と「シールタイプ(粘着シート)を使う方法」の2種類があります。
・のりタイプ

まず、一般的によく使われるのがスプレーのりを使う方法です。この方法では、市販のスプレー式接着剤を使用して、天井パネルと布の両面に均等に接着剤を吹き付け、少し乾かしてから圧着することで布を貼り付けます。伸縮性のある布であれば多少のたるみや曲面にも対応できるため、広範囲の天井施工にも適しており、純正風の仕上がりを再現しやすいのが特徴です。ただし、スプレーのりは均一に噴射しないとムラになったり、接着力が不十分になることもあるため、丁寧な施工が求められます。また、強力タイプの接着剤を選ばないと、夏場の高温で剥がれてしまうこともあるので注意が必要です。
・シールタイプ

一方、シールタイプの布(裏面粘着シート付き)を使う方法は、より手軽に貼れるのが最大のメリットです。布の裏面に粘着層があらかじめ加工されており、はく離紙を剥がしてそのまま貼るだけなので、接着剤を使う必要がなく、手も汚れません。DIY初心者にも扱いやすく、特に小さなパーツや一部の補修には非常に便利です。ただし、大きな面積への施工では粘着力が不十分になることもあり、しっかりとした固定が必要な天井全体への使用にはあまり向いていない場合もあります。また、布のデザインや質感の選択肢が限られる点もデメリットの一つです。
どちらの方法も一長一短がありますが、「しっかり仕上げたい」「純正風に戻したい」場合はスプレーのり、「簡単に貼りたい」「部分的に直したい」場合はシールタイプが適しています。施工環境や仕上がりの希望に応じて、適切な方法を選ぶことが重要です。
【他の専門店とRISHの違い】
・車体持ち込みありの依頼可能
当店では、車体持ち込みのご依頼も可能となっております。天井の脱着はとても難しいため、困難な方はぜひ車体持ち込みでのご依頼をお待ちしております。

・豊富な材料とカスタム
当店では、天井張り替え用の生地を多数取り揃えており、お客様のご希望に合った素材を見つけやすい環境を整えております。もしお探しの色や質感などが見つからない場合でも、可能な限りご要望にお応えいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

・車に合うデザインを提案できる
天井の内張りが剥がれてしまうと、見た目の劣化だけでなく、状態によっては運転に支障をきたすこともあります。修理によって元の状態に戻すことは可能ですが、天井は車内の印象を大きく左右する部分でもあるため、ドレスアップ効果を狙ったカスタムもおすすめです。どのように修理・カスタムすればよいかお悩みの際は、お客様のご希望や車種に合わせて最適なご提案もいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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